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花鳥獣風月(スイス生活)

スイスの野鳥、動物、花や景色、イベントなど  (Blog内の画像や文の無断使用禁止 引用、まとめサイトでの使用も禁止)
 

コアラを手放したのは天王寺動物園の判断ミスだと思う

Posted by 蛟(みずち) on   0 


よく事情を知らない動物園の事なので沈黙していましたが、Twitterで動物園クラスタをフォローしていることもあり
先月から毎日のように天王寺動物園のコアラについてのTWが回ってきていて特に調べなくても目に入ってきてたのですが
スイスに帰国して少し落ち着いたので改めて少し記事などを読んでみるとあまりにも酷いので、部外者の私が思ったことを綴ります。
あくまでネットの情報を読んだ上で欧州の動物園と比べての個人的感想です。

私は子供の頃から動物が大好きで動物園に行くのも大好きでした。
実家が北海道なのでよく行っていたのは札幌の円山動物園、他は旭山動物園ぐらいにしか行ったことがなく
子供の頃はいつかパンダやコアラなどの見たことのない動物を見てみたいといつも思っていて
高校の卒業旅行の初めての一人旅で、大阪の天王寺動物園、名古屋の東山動物園、東京の上野動物園に行きました。
(上野は修学旅行の自由行動のときに既に行っていた)
当時はまだネットは普及していなかったので詳しい動物園の情報などはなくTVで見たりガイドブックに載っているような
大きい有名な動物園のことしか知りませんでした。

その時からもうかなりの年月が経っていますので天王寺動物園もすっかり変わっているでしょうし
私、自身の記憶も実はあまり残っていなくて天王寺動物園がどんな動物園だったかのかよく覚えていませんので
ネットで読んだ情報をもとに思ったことを書かせて頂きます。

最近の欧州の動物園では広い敷地で動物本来の姿で暮らせるようにと動物の飼育数を減らして来ている園が殆どです。
どこの動物園も飼育スペースも経費も限られていますので、これは仕方のないことです。
自分のお気に入りの動物が見られなくなるというのはとても残念だし悲しいことですが、それが動物たちの為になることなら
本当にその動物が好きな人は納得して送り出してくれるでしょう
例えば動物園で生まれた子が大人になって繁殖目的で他の動物園に移動になるのは毎年のように行われていることですし
どこかの施設を広くするために飼育をやめると判断して移動させるケースもあります。

ただ今回の天王寺動物園のケースはあまりにも情けないし動物園なのか市なのか経営陣の判断ミスだと思いました。
まずコアラの移動を経費の問題として言っていること!これは最悪です!
コアラ1匹飼育するのに3600万円とか出てきますが、コアラを飼育することを決めた時点でわかっていた金額であり
以前、飼育頭数が多かった頃は5000万円はかかってたとのこと
それに天王寺動物園より規模が小さく民営と思われる淡路ファームパーク イングランドの丘ではコアラの飼育をしています。
現在日本でコアラの飼育をしているのは7ヶ所のみのようですが、殆どの施設が天王寺動物園より小規模な場所です。

そしてこのお金の問題で飼育をやめるというのは例えば一般の家庭におきかえると
「犬を飼ったけれど予想以上にお金がかかるから誰かにあげる」というのと同じこと!
動物の保全、繁殖、生涯飼育を訴えるべき動物園にあるまじき理由でしょう!
動物のことを一般市民や子供に教育の場として教えなければならないはずの動物園があげる理由としては信じられません
飼育をやめるにしてもアークが寿命を全うするまではコアラの飼育は続けるべきだったと思います。
繁殖目的のブリーディングローンでの貸し出しということになっていても12歳のアークが10年後に
天王寺に帰ってくることはまずないでしょう(コアラの施設やユーカリ農場との契約を10年維持することは考えられないし)

たしかに3600万円は大金ですが、他の動物はどうなのでしょう?
コアラのエサ代はたしかに高いですが大阪大学の記事に載っていた「お客さん目線での動物園改革」内で
「人気の高いホッキョクグマのメスを導入」と載っていましたが、天王寺動物園のホッキョクグマの施設が
どのようになってるのか私はわかりませんが、エサ代の他に冷房代、プールの水道代、処理のための下水道代などを
トータルすると一体どれぐらいかかってるのでしょう?
ホッキョクグマを適切に飼育するには広い敷地や大きいプールが必要なので欧州では飼育をやめた動物園が多いです。
もしも天王寺が「適切な設備」でホッキョクグマを飼育していないのなら今後莫大な費用や維持費がかかるでしょうし
暑い関西でホッキョクグマを飼育するのなら同じぐらい経費がかかるのならコアラ飼育の方が向いていると思います。

経営的に苦しいとのことですが、日本第二の大都市なのにあまりにも情けない理由です。
特に近年は天王寺動物園の入園者数は伸びていて年間150万人以上いるようですが
入園料が大人が500円 年間パスポートが2000円という安さ
この入園料を100円値上げするだけでも十分にコアラのエサ代はまかなえます!
(コアラのエサ代3600万円を150万人の入園料でとするなら24円の値上げで済む)
入園料をあげるのが難しいのならせめて年間パスポートを7,8回は行かないと元が取れないぐらいの金額に設定すべきです。

日本で動物園によく行く方達とお会いして話しましたが日本の動物園の質の悪さはこの入園料の安さにもあると思います!
多くの動物園が老朽化していたり狭い昔の獣舎で飼育しているのに多くの動物園の入園料がとても安いままです。
入園料を多少上げても質の良い動物園にしていった方が動物の為にも入園者の為にもなります。
映画1本見るのに大人で1900円ぐらいなのに、生体を間近で見られる動物園が500円って何故なんでしょう。。。。
入園料の安さが動物や飼育員の軽視にも繋がっているような気がします。
(動物園の飼育員は専門職です!公務員が移動で来てすぐにできるような仕事ではありません!)

コアラのアークの移動に反対する人の中には金銭的な問題ならクラウドファンディングとの声も上がっていたようです。
クラウドファンディング、スポンサーを募る、入園料を上げる、動物園で行っているイベントを有料にするなど
いくらでも方法はあったはずです。

欧州の動物園は入園料が1500~2500円ぐらい(チューリッヒ動物園は26フラン=2862円、年間カード 130フラン=14282円)
バックヤードツアー、飼育員体験などは有料 
バックヤードやワークショップの参加費用はどこの動物園もわりと高額で1時間半~で数万のこともあり
これは動物園の大きな収入源の一つになっているようです。
参加費用を取るので専門のガイドを雇ったり飼育員の増員もできます。

欧州の殆どの動物園では動物のスポンサーを募集していて個人、企業どちらでもよく、動物によって金額が違います。
個人でウサギなどの小動物に150フランからもできますしゾウなどのお金のかかる動物は12000フラン
動物の一年間のエサ代などの一部を負担するもので園によって動物のパートナーとか里親、ゴッドファーザーなど呼び名が違い
特典も年間カードがもらえるとか特別にその動物に会える、寄付した人の名前を園内や機関誌に載せてもらえるなどさまざまです。
ちなみにチューリッヒ動物園のコアラは1万フラン( 1,098,614 円)ですが、2人のスポンサーがついています。

画像や動画で見ただけですが天王寺動物園の屋外のコアラの施設は本当に世界に誇れるものだと思いました。
このコアラの施設を作り飼育を続けてきた人々の努力や技術が失われてしまうのは本当に残念ですし
長年努力をして来てた人々も無念で裏切られた気持ちになっていることでしょう

近年はLCC(格安飛行機)も増え、外国人観光客も増え遠くから動物園に来る方も多くなったと思います。
その時に各動物園によって特色を出し差別化をはかるのも今後の動物園の生き残りの術だと思うのです。
少子化、高齢化が進み公営の動物園でも市からの援助は年々減ってくるでしょう
地域住民に来てもらうだけでは動物園の経営は成り立たないと思います。
天王寺動物園は今後は何を動物園の特色として出していくのでしょうか?
あのコアラの屋外施設は海外からもお客さんを呼べるような強みだったのに自ら手放したのは本当に愚かです。

以前の旭山動物園のように特色を出し強みにしたら遠方や外国からでも来てもらえる強みになったハズで
コアラを手放すのではなく増やして日本を代表するコアラ施設にすることもできたのに・・・・

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チューリッヒ動物園のニュー・サウス・ウェールズ コアラ 2019年8月4日撮影

欧州でコアラを飼育してる園は南部系のビクトリアコアラが2カ国2園、
北部系のクィーンズランドやニュー・サウス・ウェールズコアラが8カ国12園で
チューリッヒ動物園では昨年からニュー・サウス・ウェールズコアラの飼育を始めました。
広い敷地と経費がかかりすぎるとの理由でホッキョクグマの飼育をやめたチューリッヒ動物園が
旧アフリカハウスを改築して飼育を始めたのがコアラです。
チューリッヒ動物園では1992年に動物園の開発のマスタープランを作り2020年までの大規模な工事や改修が行われ
飼育をやめた動物もいますが、コアラを新たに導入したことについてはオーストラリアを代表する動物でもあり
経費がかかってもそれだけ意味があるからだと思います。

チューリッヒ動物園のコアラの動画↓ オーストラリア館オープン初日 2018年3月29日撮影



チューリッヒ動物園のコアラの動画↓ お食事&お昼寝するニューサウスウェールズコアラ 2018年9月16日撮影 



また欧州でコアラの繁殖率No1で世界的にも有名なZoo Duisburg(ドイツ・デュイスブルク動物園)では
コアラは完全屋内飼育です。
天王寺動物園の屋外飼育がいかに素晴らしいのか行ったことがなくても想像できます!

ドイツ・デュイスブルク動物園のコアラの動画↓ 2006年12月9日撮影



ドイツ・デュイスブルク動物園のコアラの動画↓ 2006年12月9日撮影



ゾウパークやマダガスカルの熱帯雨林館マソアラが有名なチューリッヒ動物園ですが
コアラの屋外スペースは狭く天王寺動物園と比べると粗末なものです。

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チューリッヒ動物園のコアラの屋外スペース 2019年8月4日撮影
現在はニュー・サウス・ウェールズコアラのオス、メスを各2匹の4匹を飼育

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屋外のコアラ
こういう屋外のコアラがいられるスペースは建物の前とオーストラリアの動物の混合飼育エリアの一角との2ヶ所あります。

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旧アフリカハウスを改築して作ったオーストラリアハウス内のコアラ
アフリカハウスではコビトカバ、ヒガシクロサイ、鳥を飼育していましたが古い建物で狭いので
新しくサバンナエリアを建設中で2020年にLEWA SAVANNEとしてオープン予定
(近年作られた新エリアや獣舎は全て寄付で作られています!LEWA SAVANNE 寄付のサイト

コアラのアークの移動を決定した人たちは事前の調査や市民の意見を聞いたりエサ代を捻出する努力など
何もしていないように感じました。
その怠慢が多くの市民からの反対や心配、怒りに繋がったのだと思います。

天王寺動物園は入園者は増えていたようですが近年、動物の急死、事故死が続き
更にカリフォルニアアシカの子を排水溝から逃してしまうという信じがたいことが先月起きたばかりで
今回のコアラの移動で市民、来園者、コアラの飼育に関わっていた人たちの信頼も失ってしまったと思います。
金銭的なことよりも将来につながる大切なものを自ら手放し今後どのように変わっていくのか注目していきたいです。


参考
天王寺動物園
ハピズー アーク父ちゃんのお別れ会で担当飼育員が語ったこと
天王寺動物園に市民が抗議、その理由とは
大阪大学 牧 慎一郎さん(大阪市立天王寺動物園園長)
他Twitter,ニュース記事など

 Longleat Safari and Adventure Parkのコアラのアークについてのニュース記事(英語・写真、動画あり)
Longleatには私は行ったことはないのですが、BBCとかでドキュメンタリーや動物園の番組で映像は時々見ています。
良い動物園だと思いますよ(英国は動物園にはライセンスが必須で審査で悪いとされると動物園のライセンスが下りない)

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