チューリッヒ動物園の高齢ゾウが起き上がれなくなり救助隊が出動

2016年4月20日(水)晴れ

昨年のチューリッヒ動物園の記事を書いている最中ですが、チューリッヒ動物園のニュースが入ってきたので先にそちらをUP
スイスのWeb新聞などには載っているので、スイス在住の方はご存知な方が多いと思いますが記録の為にも残しておきます。

チューリッヒ動物園のElefantenpark Kaeng Krachan(ゾウパーク ケーンクラチャン)ではアジアゾウは
オス2頭、メス6頭の計8頭を飼育中
基本的にはオス2頭 Maxi(1969-1970年生まれ)とThai(2004年生まれ)を一緒に飼育(Thaiは繁殖目的で時々短時間メスグループへ)
メスはIndi(1986年生まれ)と娘のChandra(2002年生まれ)とOmysha(2014年生まれ)のグループが一つ
もう一つのグループはCeyla-Himali(1975年生まれ)と娘のFarha(2005年生まれ)のグループ
そして最高齢のDruk(1967年生まれ)はお客さんからは見え難い奥で飼育していて、IndiまたはCeyla-Himaliのグループが
ゾウパーク、屋外のサブエリア(オスゾウの飼育場と書いてあるがグループ別けしているので、メスも出ていることがある)に
出ているときは、ゾウパークの建物横のエリアにも行けるようにドアを開けているのでDrukと一緒

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2016年4月10日に撮影したDruk 奥に居たのでズームで撮影
この時はIndi一家と一緒

Drukは昨年の春頃から高齢を理由に奥で飼育されていたの(ゾウパークは広いし起伏もあるので健康に配慮して)
DrukはOmyshaちゃんの良いおばさん(血縁関係はない)として、小さいOmyshaちゃんの面倒を良く見ていて
Omyshaちゃんが小さい頃は一緒にいることがとても多く、知らない人はDrukとOmyshaちゃんを母子と思っていた人が多いぐらいで
OmyshaちゃんもとてもDrukに懐いていて、ミルクは出ないのにDrukの胸に吸い付く様子もよく見られたぐらいでした。

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2014年7月23日撮影 Omyshaちゃんは2014年6月17日生まれなので、生後1ヶ月ちょっとの頃
Drukが優しく面倒を見ていました。

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2014年7月23日撮影
いつも大好きなおばさんと一緒のOmyshaちゃん お母さん間違ってる?と心配になるぐらいべったりでした。

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2014年9月25日 撮影 Omyshaちゃんは生後3ヶ月過ぎ Drukの胸に吸い付いた後のアレー?だけど嬉しそうな表情

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2014年9月25日 撮影 眠るのも大好きなおばさんの近くだったOmyshaちゃん 左は母 Indi

Drukは1967年ブータン生まれ、1968年にブータンの国王からの贈り物としてチューリッヒ動物園にやって来たゾウで
チューリッヒ動物園内での哺乳類では最高齢の49歳です。
Drukはプロゲステロン(ステロイドホルモンの一種、黄体ホルモン)の働きが非常に低いために、子供を作ることが出来ず
出産経験はありませんが、子象が大好きで、チューリッヒで生まれたChandra、Farha、Omyshaの面倒をとても良く見ていました。
ホルモンの関係かオスゾウのことは嫌いなようで、上手くいかない為、オスゾウと一緒には飼育していませんでした。

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2015年9月21日撮影 Omyshaちゃんが大きくなってもDrukの愛情は変わらず
時々奥にいるDrukに甘えるOmyshaちゃんを見ることもありました。

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2015年9月21日撮影 大きくなったChandraとももちろん仲良し

そのDrukが4月19日の午後に他のゾウの闘争に巻き込まれて転倒した後に立てなくなり
Drukの体重は4月10の時点で3250Kgだったので、飼育員さん達ではDrukを起こすことが無理なので
消防隊や大型動物専門のレスキューサービスを呼び、その協力を得てDrukの救援活動を円滑かつ専門的に行ったそうです。

動物園側からの発表はありませんが、どのゾウのグループと一緒の時に事件が起きたのかが個人的に気になっています。

メスは喧嘩をしないように2つのグループに別けているので、闘争は考えられないのですが
(「闘争」ともその後に「ふあけあって走る」とも動物園のサイトには書いてあったので、深刻な喧嘩ではないと思います)
先日(4月5日)に行った時に、オスゾウエリアに居たIndiと娘のChandra、Omyshaが混合飼育のブラックバックのオスと出くわし
ゾウ達が凄く興奮して手前から奥の方まで鳴きながら凄く走りまくってたの

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Drukが普段いる場所は緑で囲んでる部分 
手前の赤丸はブラックバックが時々出てきてる場所で、混合飼育なのだけれど、私が見た時はChandraが特に物凄く怒っていて
鼻を振り回し鳴きながらブラックバックを追い払いブラックバックが逃げ去った後も興奮して走りに
それについていくようにOmyshaちゃんやIndiも一緒に走り、いつもDrukがいるエリアにまで行って
手前と奥を行ったり来たりしていて危ないなぁ・・・と思っていたのよ。

その時はDrukは見当たらなかったしDrukの心配よりもブラックバックがゾウに蹴られたり鼻で掴まれるとか
Omyshaちゃんが興奮して走っての怪我などの心配だったんですけど・・・。

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横たわったDrukの体を起こし、周りに干し草ブロックを積む飼育員さん 画像提供 チューリッヒ動物園

大型動物専門のレスキューサービスにより体にネットを巻かれて消防の重機で釣り上げられたDrukは
怖い思いはしたとは思いますが、短時間で無事に立つことができ、自力で屋内に小走りで走っていったそうです。

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重機を使いDrukの体を起こしています。 画像提供 チューリッヒ動物園

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少し起こした所で体を支えるネットを別のに交換してるのがわかります。 画像提供 チューリッヒ動物園
大きい画像で見るとわかるのですが、耳に少し血がついていたのが気になります。

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無事に立つことが出来たDruk 画像提供 チューリッヒ動物園
Drukが屋内にスムーズに移動できるようにだと思いますが、飼育員さんが干し草を片付けています。

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ネットを外され自力で屋内に移動するDruk 画像提供 チューリッヒ動物園
このネットを片付けているのが大型動物専門のレスキューサービスの方
ゾウを支える大きいネットがあってスムーズに救助活動できたのもこの方たちのおかげ!

Grosstier-Rettungsdienst Schweiz und Liechtenstein®(大型動物専門のレスキューサービス)

大型動物専門のレスキューサービスは有料ですが、家畜(牛、馬、ヤギ、 他)の他にラクダ、バイソンなどのエキゾチックアニマル
鹿、イノシシなどの野生動物も捕獲や救助、緊急治療を24時間体制で行う専門家の方々です。

チューリッヒの競馬場にも馬が転んで怪我をした時に備えていますし、大規模なパレードなどで馬や馬車が多い時は待機しているの
他には緊急コールで、馬の交通事故(スイスでは町中を乗馬や馬車が走ることも多いので時々ある)や放牧中の家畜が
崖から落ちたりぬかるみにはまって出られなくなった、家畜舎の火事など 色々な緊急時に出動しています。

Schutz & Rettung ZH(チューリッヒの保護とレスキューチーム 消防)

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屋内に戻って歩くDruk 画像提供 チューリッヒ動物園

Drukの様子は獣医師が観察していて、もしも体に重大な支障や病気があり苦しむようなら安楽死も考慮に入れていたようですが
本日の午後の発表では今のところ、Drukは順調らしくホッとしています。

消防、大型動物のレスキューサービスと動物園の連携ですぐにDrukを起こすことが出来て本当に良かったわ!

ゾウの事を知らない人は何故、そんなに大急ぎで無理やり起こさないとならないの?と疑問に思うようですが
ゾウは体が重いので、長時間横になって立ち上がれないと内蔵を圧迫して死んでしまうのです。
子象や若いうちは横になって寝ますが、高齢になって足腰が弱ると一度座ったり横になると立ち上がれなくなる為
高齢のゾウは立ったまま寝ます 寝るときは4本足の他に長い鼻を地面につけて体を支えるので
日中でもゾウがしばらく動かずに鼻を地面につけているときは、うたた寝しているので、起こさないように静かに見守って下さいね!

日本には高齢のゾウが多くいますが、ハード面(飼育場、環境)は海外の人から色々言われる事もありますが
ソフト面での動物の飼育では飼育員さんが色々試行錯誤し大切にケアしているので60歳以上という長生きのゾウがいるのだと思います。

多くのゾウは40代後半ぐらいから健康上に問題が出てきたり足腰が弱り寝たら起きられなくなったりするようです。
昨年はスイスのKnies Kinderzooでも3頭の高齢ゾウが立て続けに亡くなっています。

Patma(1961年生まれ)腎機能障害、関節痛が原因の安楽死 54歳
Sumatra(1962年生まれ)急性腎不全、結核 53歳
Siri(1963年生まれ)進行癌だった為 安楽死 52歳

今回の記事では何もクレジットが載っていない画像は全てチューリッヒ動物園がオフィシャルサイトでマスコミ用に無料提供
したものを使わせて頂いています。 こちらにオリジナルの記事(ドイツ語)と画像有り 
メディア向けのページ 19.4.2016の部分です。

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[ 2016/04/20 22:36 ] スイスの動物園・動物公園 Zoo Zuerich | TB(-) | CM(0)

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